自費出版の特徴とポイントについて

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最終更新日 2024年10月30日 by usagee

自費出版は文字通り自腹で本を出すことで、著者が自らお金を出して出版することを指します。
個人が趣味で作った書籍だけでなく、企業や自治体によって出版が行われるケースもあります。
また個人の場合だと自分史をテーマに取り上げて、本にまとめて出版するケースも珍しくないです。

出版における自費の定義

出版における自費の定義は、本の制作や販売に要する経費を著者が負担することです。
つまり、いわゆる同人誌も広義の自費出版だといえますし、創作から印刷や頒布の負担も著者が行うことから、やはり定義に該当すると考えるのが妥当です。
自費と一口にいっても書籍の流通方法は様々ですが、基本的には書店に置かないのがポイントです。
印刷を含む一切の制作費用を著者が負担するので、当然ながら予算が必要になりますし、出版社のバックアップが受けられないので大量に出版するとなると大変です。
出版社が引き受けてもらえない理由を挙げるとしたら、それは市場に流通させても商業出版物と比べて利益が期待できないことです。
内容が個人的だったり趣味の性格が強いことから、一般市場で広く受けたり売れるとは限らないわけです。
勿論、ニッチという意味ではヒットする可能性もありますが、大ヒットの商業作品とは比べるまでもなく、収益には大きな差が生まれます。
商業出版物にも、売れずに赤字になるリスクは存在しますが、そのリスクを負ってでも出版を引き受けるのは売れる見込みがあるからです。

商業と並行して自費出版を扱う会社も出てきている

自費出版で流通する書籍の多くは、万人受けするような内容ではないので、相談しても引き受けない出版社が大半です。
しかし、近年は出版不況による状況の変化もあって、商業と並行して自費出版を扱う出版社も出てきています。
それから書店と契約して販売を行うことをセールスに活かしたり、自費による出版を募って宣伝を行う手法なども現れてきました。
紙の書籍が主流の時代においては、個人が印刷会社と契約をして、自費で一定数の部数を印刷してもらう形が基本でした。
ところが、電子書籍が登場してからは参入のハードルが下がり、気軽に出版が行えるようになっています。
紙媒体は用紙と印刷のコストが馬鹿になりませんし、在庫の保管や流通にもコストが掛かります。
その点、電子書籍は紙も印刷も不要でコストが一気に省けますし、在庫に頭を悩まさずに済むのでかなり楽です。
どこで出版を行うか、権利関係などについても明確にして契約を行う必要はありますが、それでも紙媒体と比べて出版が圧倒的に楽なのは確かです。
手数料が発生するにしても非常に安いか無料だったりしますし、売り上げに応じて支払うという形もあります。

電子書籍なら出版が初めてでもハードルは低い

出版社に相談して協力を得るとなると、売れなかった場合のリスクが大きい紙媒体では難しかったですが、電子書籍なら出版が初めてでもハードルは低いです。
電子書籍による自費出版は、個人で1からでも始められますが、代行業者が存在するので手数料を支払って任せることもできます。
ただし、どこまで代行でサポートしてくれるか、料金の妥当性などは自分で判断して代行業者を選ぶ必要があります。
大々的に作品を募集して出版に繋げるコンテストなどでは、過去にトラブルが発生しているので注意が不可欠です。
応募者が多く注目度が高いと思われていてたコンテストが、実は出版による利益を目的とした出版社の捏造といった事例が存在します。
このようなトラブルは社会問題にもなったので、リスクを含めて注意して出版を検討することが必要でしょう。

自費出版を行う人の心理とは

自費出版はその性質上、内容は様々でクオリティについてもばらつきが大きいです。
商業レベルに達している作品もあれば、その一方では出版社からは出せないレベルの本もあるわけです。
とはいえ、趣味で作って配る目的を考えれば、クオリティはあまり重要ではなかったりします。
というのも利益を目的としているわけではなく、赤字でも作品を見てもらえれば十分という人も少なくないからです。
例え自費でも出版にこぎつけてヒットさせたり利益を追求したいと考える人は、自費で出版するのはやめた方が良いでしょう。
出版社の協力を得ないと流通は限られますし、何より宣伝の機会がないので、広く作品を認知させて売るのは困難です。
ネットを上手く活用すれば、個人でも話題を作ったり噂が噂を呼んで売り上げに繋がるといったマーケティングは可能です。

まとめ

ただ、言うほど簡単ではありませんし、ノウハウを持つ出版社と比べれば敵うはずもないです。
そもそも編集を通さない出版物は、内容の正確性や信憑性が専門家に認められない傾向です。
専門性の高い出版物を自費で出すとなると、ここがネックになって売れなかったり、価値が評価されないという結果になり得ます。
それでもなお赤字覚悟で本を出したい気持ちが上回るのであれば、紙媒体や電子書籍で出版を検討しても構わないでしょう。
大切なのは何の為に出版するのか目的を明確にすること、そしてリスクに納得したり受け入れられるか確認してから、具体的な検討や計画を進めることです。